こんにちは!漫画動画チャンネルfor biz 運営です。みなさんマンガ動画を制作する際、どのようなストーリーにしようか迷われるのではないでしょうか?『そもそもどんなストーリーが正解なのか分からない』『ストーリー自体が、汎用的ではなくオリジナルのため、作りづらい』など、様々な課題がありそうですね。ストーリーから自社で作らないといけない場合は、結構地獄です。
本日は、『ストーリー』について記事にしていきます。
まず、ストーリーとは何なのでしょうか。私たちがよくみている映画やドラマ、マンガがわかりやすいですね。
Weblio英和辞典によると、ストーリーは『物語』や『話』のことです。
何となく頭の中にあるイメージはあると思うのですが、私なりにもう少し解釈すると『感情の浮き沈みをドラマティックに表現したもの』だと考えています。
人々の心を掴む作品(ストーリー)は一貫して感情の増幅や減少を描いています。なぜなら、感情が豊かに表現された作品は、私たちが同じ共同体としてそのストーリーを自分ごと化し、共感するからです。
そして、ストーリーには型があります。
実は感情の起伏を感じさせやすい型が存在するのです。
本日はその中から、数例取り上げてご紹介します。
下記グラフ内の横軸が時間軸、縦軸が感情の流れを表します。
最初がマイナスの感情からスタートし、若干感情の浮き沈みはありながらも最終的にプラスになるまで上がっていくパターンです。
企業マンガで使う場合は、『YouTube漫画動画広告』などの商材を売る場合に利用できます。マイナスなイメージやネガティブな感情はポジティブな感情よりも印象に残りやすいため、冒頭に自分ごと化できるマイナスな感情を表現すると、視聴者を一気に映像に引き込むことができます。
『シンデレラストーリー』とは簡単に言うと、無名の一般人だった人が突然人気になり、絶望するような経験を経て、最終的に将来に対して希望を持った状態で終わるストーリーです。
企業マンガ動画であれば、社長の創業ストーリー等を表す場合に使えますね。立ち上げから数年以上経っている会社であれば、どこかのタイミングで苦境に立たされたりすることは珍しくないです。「苦境を乗り越えて希望を持っている」という会社のストーリーは視聴者を魅了できます。
最後はW型です。最初にネガティブな体験、マイナスな感情を持つ状況に遭遇します。その後何とかして苦境を乗り越えますが更に困難な状況に追い込まれ、また転落します。しかし最終的にはその困難も乗り越え、プラスの感情で物語が終わります。
この形も先ほどの『シンデレラストーリー』と同様、会社の創業ストーリーや事業開発秘話などがマッチします。
このような形で会社の歴史をドラマティックに表現すると、視聴者にとっては数百万社のうちの一社ではなく、きちんとその会社を個別の会社として認識できるようになります。なおかつ、ストーリーは視聴者にも同じような感情を引き出す力があるので、忘れにくくもなります。
先ほどあげたストーリーの型は、企業マンガを動画化する際にも通用するのでしょうか。
答えは『Yes』です。
ただし、注意点もあります。
それは、通常の映画やドラマと比較し、企業が作る漫画動画は長くても3〜5分の短い時間となります。
そのため、感情の動きを盛り込みすぎると、視聴者が情報を処理しきれず、「結局この動画は何を言いたいんだ?」となります。
先ほどのストーリーの型を意識しながら、下記の点に注意した動画制作を心がけましょう。
広告で流す場合、視聴者は様々な動画を見ている最中にあなたの動画に出くわすこととなります。視聴者に自分ごと化してもらえるよう、日常に沿った内容を冒頭入れる、逆に非日常な世界のストーリーを描き、興味を引く、などが必要です。
また、私たちは多くのマンガ動画広告をYouTube向けに制作してきましたが、その中でもネガティブな感情からスタートするものは効果が高かったです。
これは人間の本能で、ポジティブなものよりもネガティブなものの方が反応しやすいので、ストーリーを作る際にも参考にすべきです。
自社の情報を盛り込みたい気持ちが出てくるので、ついつい文字情報が多くなりがちです。漫画動画の良いところは、難しい情報やサービス内容をイメージで伝えることができる点です。最大のメリットを活かし、多くを説明しすぎず良い印象が残るように心がけましょう。
「どうすれば文字ではなくイメージで伝えられるだろう?」という思考で、なるべく文字情報を減らしてあげる方法を模索しましょう。
特に、感情を伝えたいシーンなどではキャラクターの表情や動画上の演出にお任せして、文字情報はなくしていきましょう。
様々なシーンを盛り込みたい気持ちが出てくるため、つぎはぎのシーンを展開してしまう可能性があります。「時系列が明確になる繋ぎカットや地の文を入れる」「あまりに多い場面転換はしない」などの工夫が必要です。
「視聴者が違和感を持たないかどうか?」を考えながらシーンを見返してみて、動画の演出を考えるようにしましょう。
視聴者に一度でも違和感を持たせてしまうと、不信感に繋がり、適切に情報を伝えることができなくなります。
何度もみて確認したり、他の社員の方にも確認してもらうなどして、違和感が生まれないように注意しましょう。
ストーリー(脚本)をゼロから作り出すのは大変ですし、手間もかかりますよね。制作会社に依頼することが最も手っ取り早い方法ですが、それもできない場合、下記の本を参考に作ってみましょう。
どれもストーリーの概念や、大切な考え方を示している良著です。
著者はマンガ制作経験10年であり、ストーリーの作り方を分かりやすく簡潔に記載してくれています。
ストーリーを書かなければいけない方にまず読んでもらいたい一冊。
「まず、5Wを用いながら詳細の設定を決めよう」「目的を阻む障害を作ろう」など、具体例を交えながら解説しているため、非常に楽しく読むことができます。
ボリュームも多すぎることはないので、仕事の合間に少しずつ読んでいくことも可能です。
“ハリウッドで最も成功した競売向け脚本家の一人"とも称されるブレイク・スナイダー氏が書いた名著です。
脚本のための本といえば必ずこの本がリストに上がってくるといっても過言ではないです。
長編映画のストーリー構成がどうなっているか?という内容を題材に挙げているため、企業マンガ動画の場合は短編動画のため注意が必要ですが、読んでおいて損は全くない一冊です。
数千のデータを分析し、ヒット作品の共通項を見つけ出す試みをしている名著です。
どちらかと言うと『ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』シリーズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』など、原作が小説のもの、文章に関してフォーカスしていますが、感情グラフなど、動画作品でも応用できることはあります。
ただ、少々難解な語り口であるので、最初に分かりやすく解説されている下記ヒヅメさんのブログを参考にしたり、グラフが多用されている第三章を最初に読んでみると良いと思います。
桃太郎を使って「ベストセラーコード」の7つの型を再現する
桃太郎を使って「ベストセラーコード」の7つの型を再現する | HIZUMEMO.com
hizumemo.com
いかがでしたでしょうか。
本日はストーリーの構成の仕方やおすすめの本を紹介してきました。
もちろん、どのような漫画動画を作るのかによってもかなり変わってくるところではありますが、ストーリーの型に沿って制作していくと、とてもやりやすいと思いますのでぜひチャレンジしてみてくださいね。